ナチュみ~る君の太陽光システムをつくる その1

作ろうと思ったきっかけ

堆肥をうまく育てるには温度管理が重要だ。堆肥の温度が上がりすぎると、暑いところが苦手な微生物は死んでしまう。そこで温度が上がってきたら、堆肥をかき混ぜ空気を入れて、温度を下げる必要がある。堆肥の温度をタイムリーに知れたら便利だ。

現代人は忙しいのでマグボットに温度測定を手伝ってもらおう。ナチュみ~る君は堆肥の温度を測定して、LINEに通知してくれる便利なマグボットの仲間である。しかしバッテリーが2日半しか持たないので、平日にバッテリー交換をしないといけない。堆肥を育てている公園にはコンセントは無いのである。しかし日当たりはいいので太陽エネルギーは十分にある。太陽光発電システムを作って、ナチュみ~る君を連続稼動させよう。

必要な電力を見積もってみよう

今使っているモバイルバッテリーの容量は20100mAhである。電圧を3.7Vとすると74Whの電力量になる。2.5日(60時間)で74Whが失くなるということは、1日あたりの消費電力量は約30Wh/dayである。

これはつまり消費電力は1.2Wぐらいということである。Raspberry Pi Zeroの消費電力が約0.4Wとの情報があるので、周辺デバイスも含めて、1.2Wの消費電力というのはまあ妥当なところだろう。*1

 さて、ナチュみ~る君はこれから2台に増える予定である。今は関西出身のナチュみ~る君が現場にいる。博多出身のナチュみ~る君も準備ができたら現場入りする。そこで2人分のエネルギー60Wh/dayが必要になる。

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では、太陽エネルギーは地上にどれぐらい降り注いでいるのだろう。NEDOのデータベースによれば、東京平置きで平均2kWh/m2以上の日射量はありそうだ。電力変換システムの効率をざっと50%とすると、100Wのパネルで100Wh/dayの電力量を得ることができる。*2

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ちょうど手元にこの100Wのパネルが1枚余っているので、ソーラーパネルはこれを使おう。電気自動車に取り付けるつもりで購入したが、ボンネットにはめ込むには大きすぎた。 

平均して100Whの発電が見込めても、雨や曇りの日は発電量がほぼ0Whの日もある。そんな日でもナチュみ~る君が止まらないように、バッテリーにエネルギーを蓄えておこう。

モバイルバッテリーは、給電が途切れると瞬間的に放電が途切れてしまう。*3

一瞬でも電源が落ちるのは、ナチュみ~る君の頭脳にとっては都合が良くない。ここでは太陽光システムと相性の良いシンプルな鉛バッテリーを使うことにしよう。

ちょうど手元にある鉛バッテリーには40B19RMFと書いてあり、容量は28Ahである。電圧を12Vとすると336Whとなりモバイルバッテリーのおよそ10倍の容量がある。これで2台のナチュみ~る君が5日間ほど連続稼動できるはずだ。

 ソーラーパネルとバッテリーを直接接続しただけではうまく充電できない。充電を制御してあげるチャージコントローラーが必要である。充電コントローラーがあればソーラーパネルの電圧を調整してくれるし、バッテリーの過充電や過放電を防ぐことができる。

ちょうど手元にこの充電コントローラーもある。しかもUSB出力(5V2A)が2口ついているので、Raspberry Pi を搭載したナチュみ~る君2台の電源としてそのまま使える。

1日の平均発電量が100Wh、消費電力が60Wh 、電池容量が300Whという事は、毎日の給料が100万円、出費は60万円、貯金は300万円なので、なんとかやっていけそうな気がする。3日間連続で雨が降っても、5日間晴れたら貯金はだいたい回復するはずだ。

まずは100Wのパネルで生活を始めて、足りなくなったらパネルかバッテリーを増設しよう。

値段を見積もってみよう

ソーラーパネル 100W 2万円

鉛バッテリーMF40B19R 5000円

充電コントローラー 20A  2000円

合計 27000円

やっぱり太陽光パネルは値段が高い。けれど今後はもっと安くなっていくだろう。部品がそろったら次は配線してみよう。

つづきの記事はこちら

eunoi11

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*1:Rasberry Pi zeroの消費電力

*2:年間予想発電量の算出

http://www.jpea.gr.jp/pdf/011.pdf

*3:パナソニックのモバイルバッテリー搭載AC急速充電器はIoT機器のUPSとして使えるかも

kitto-yakudatsu.com